意識低い人間と意識高い人間が対話するとこうなる。
どうも、意識低い人間の権化であり、七つの大罪のうち怠惰を司る人間、死に起きです。
そんな僕がこの間「意識高い人間の権化」のような人に会って来たんです。
僕の真逆ですよ。もう正直行くのもどうしようかウンウン迷った挙句悲鳴を上げながら家を出ました。
最近寒いし…ホント褒めて欲しい。
満漢全席奢ってもらうくらいして欲しい。
と話す前に、僕が意識高い人間と会う事になった経緯だけ少し。
僕は実は芸能事務所に在籍(所属ではない)していて、養成所でちょこまかモデルだったり演技のレッスンを受けていました。
しかし入所してから既に一年半が過ぎ、大学四年。
部活を引退したといえど就活や研究に集中したいという時期まで来てしまいました。
もちろん、それがあれど本当に頑張れば芸能活動もしっかりこなすことが出来るでしょう。
しかし、今ここにいるのは怠惰の権化です。
どうにかして楽な道を選んでいきたいと思う意識ローマンです。
養成所に入る金は払ってしまったので、教養として学ぶことにして、仕事とかはもう諦めよう。
そう思っていたところに、携帯に着信がありました。
「仕事、紹介します」
通っている養成所と関わりがある会社から、芸能関係の仕事を紹介してくれる、とのことでした。
もう仕事に対するモチベーションなど底につくほどになっていた僕。
しかし無碍に断るのもな~、話だけなら聞きに行くか~、どうせ断るけどな~とか思いながら行くことにしましたとさ。
して、会社に到着。
出迎えてくれたのは、背の高い…外国人?あれ?電話くれた方の名前は日本人だったんだけど。
「どうもはじめまして。○○です。」
日本名だ。聞く所ハーフらしい。そしてこの格好と身のこなし…
意識高い波動を感じる!!!
くぉぉぉ…なんだか胸がつらい…!これが覇王色の覇気…!
僕の感じ取ったそれは間違いではなかった。
ど相手は僕と同い年らしく、既にその会社でそこそこの役職にいる。
学生時代から芸能関係の仕事をしており、今も会社で働きながら芸能活動をしていると。
というわけで。
ここから僕という意識低い人間と、意識高い人間が対話したらどうなるのかを書いていきます。
以下○○さんは意識高いところから「たかやん」と命名します。
◆なんのために来たんだろうね
部屋に案内された後たかやんと入れ替わりでたかやんの上司が入室した。
上司「では死に起きさんの方向性を確かめていきましょうか。死に起きさんはどういう系を目指しているんです」
あ~参ったな。こう来るのか。
さっきも言ったと思うけど、僕もう仕事を諦めてるんだよ。
目的とか方向性とか、そんなものもう捨ててしまったよ。
死に起き「ということなんですよ(上のことをオブラートに包んで話した)」
上司「・・・なるほどね」
なんだ、この「何しに来たの?」みたいな雰囲気。そっちが呼んだんやで。
それから、少し上司さんの人生を聞かされた。
有象無象の一人になりたくなかったこと。学生のうちにビジネスの楽しさに気づいたこと。女にモテたかったこと。
上司「とにかく僕はわかりやすく欲が強かった。モテたいとか、稼ぎたいとか、特別になりたいとか」
死に起き「そうなんですね」
上司「見たところ、君は就活中で迷ってるってかんじだね。目指す所が見つからないというか」
死に起き「目指すところが見つからない、というより、最近は『目指すところなどなくてもいい』と思ってます」
上司「君には欲がないわけだ」
死に起き「そうです」
死に起き「(こうなるわけだ・・・結局のところ、意識高い人間とは『欲が強い人間』のことだ。欲が人を突き動かし、成し遂げる強さを持たせる。そして意識が低いとは、『欲がない』あるいは『欲より怠惰が上回る』ということ。根本のところで僕たちは相容れない。話はここで終わりだな。)」
◆女が男に与える影響は強い
上司「では私はこれで。また○○が参りますので、それまで少しお待ちください」
死に起き「あ、わかりました」
上司「死に起きさん、彼女いますか?」
死に起き「いえ、いませんけど・・・」
上司「先ほど死に起きさんは目指す所もなくて良い、欲もないと言いましたが、女ができると変わります。女は男に強く影響を与えるものです。まずは彼女を作ることから始めて見るのもいいと思いますよ」
正直彼女は欲しい。
しかし彼女を作るには頑張らなきゃいけないんだよな・・・頑張りたくない・・・けど・・・・
死に起き「頑張ってみます・・・」
◆就職活動
たかやんが帰還した。そろそろ仕事の話をするのかとおもいきや、雑談する流れに。
いつ本題が終わるんだろうか。というか始まるんだろうか。
たかやん「へぇ~、就活苦手なんですか」
死に起き「どうにも就活というのは、何を審査されているのかわからないんですよね」
たかやん「そうですかね?でも僕も今日死に起きさんと話して思いましたけど、あなたが応募に来ても取りませんよw」
死に起き「マジすか。なんでです?」
「だって死に起きさん、向上心ないんだもん」
何!?企業に入るには向上心がなければいけないのか!?
いや知ってましたよもちろん。
向上心、要はやる気が必要。
それが強い人ほど企業は欲しいと思うし、やりたくないのに入っても損するだけだ。
ただこれ言われて一つ思ったのが・・・
「みんな会社に入る前からなんでそんな向上心持ってるんだろう?」
ってことなんだよ。
だってまだ仕事やったこともないんだよ。
やったこともないのに、「やる気は誰にも負けません」とか、なんでそんなことが言えるんだろう。
それは詭弁とは言わないまでも信憑性がある言葉とは到底思えないし、僕は今までの面接でやる気の有無を聞かれた時は
「やったこと無いのでわかりません」
としか答えなかった。
まあ結果落ちてるんだからどうしようもないしな・・・。
死に起き「なんでみんな、入る前からそんな向上心持てるんですかね」
たかやん「持てるものですよ。今まで何かしらに力を入れてきて、楽しんできた人間は」
そう、僕は今まで何にも力を入れてこなかったってわけか。
鋭いなこの人は。
たかやん「人事の人もプロですから。面接だけで分かってます。あまりなめないほうがいいですよ」
◆親の教育
死に起き「そういう、何が楽しいとか何がやりたいとか、何で差が出るんでしょうね。まあ経験といえば経験なのでしょうけれど」
たかやん「僕は親の教育だと思ってます。例えば僕の両親、僕が幼い頃からいろんな国に連れて行ってくれたんですよ。だから外国に行く楽しさを知ってるし、それが普通。逆に僕から見て、死に起きさんがわからない。なんで行かないの?楽しいのにって。死に起きさんの普通と僕の普通とは違う。それは親が子供にその楽しさを教えたかどうかってことですよ」
死に起き「まあお察しの通り、僕は全然外国行ったことナイです(この前台湾には行ったけど)」
たかやん「死に起きさんは楽しめないんじゃなくて、知らないだけですよ。たぶん一回言っただけじゃわからないかもしれないですね」
親の教育かあ。
僕はそいつの人生は全てそいつが全ての責任を追うものだと思っていたけれど、そういう考え方もあるんだな。
たかやんは親にいろんな経験をさせられた。
その分、親の大切さを僕よりも理解しているのだろう。
◆女が男に惚れるのは能力
たかやん「ちなみに死に起きさんは彼女いるんですか?」
死に起き「イナイです」
たかやん「へぇ、いそうなのに」
死に起き「・・・女は男のどこに惚れるのかって考えた時に、僕は『能力』だと思ったんです。顔でも性格でもない。能力。この社会で生きていく強さが強い人間にこそ、女は惚れる」
たかやん「・・・いやおもしろいですね。僕もそう思います。この前女性と話した時に、なんで金持ちにばっか行くのか聞いてみたらその子こう言ったんですよ。
『金があるってことはいろんな経験をしてるってこと。いろんな経験をしてるやつって、話面白いでしょ?色んなコト知ってる。だったらそいつとつるんでこっちも色んな経験させてもらえば人生面白くなるじゃん』
って。だから男は金稼がなきゃって思うんですよね~!」
その女性、なるほど確かに説得力はある。でも一言言うなら、
その子意識高ェな!!!!!
触るもの皆意識高いの!?
あのね、色んな経験出来ると人生楽しいっていう思考回路が僕とは違う。
僕は経験は辛いものだと思っているから、色んな経験したいってどうしても思えないんだよ。
◆結局は人と経験
たかやん「結局は人と経験だと思います。どんな仕事でもいい人に会えればずっと続けられますし、好きな仕事でも人が嫌なら直ぐ辞めますよ。だから死に起きさんも、人を選んだほうがいい」
死に起き「(人ね…僕は別に仕事できる人が好きってわけでもないけど。強いて言うなら漫画好きな上司がいい)でもそれ、すごく難しくないですか」
たかやん「難しいです。本当に。僕がこの会社に出会えたのも、運が良かったんですよ」
運じゃん。
◆仕事の紹介は?
死に起き「・・・そういえば今日って仕事紹介するために来たのでは・・・」
たかやん「え、さっき上司さんから紹介されませんでした」
死に起き「え、はい」
たかやん「・・・紙とか何も書いてない?」
死に起き「・・・もしかして(察し)」
たかやん「上司さん、(死に起きさんのこと)あまり気に入らなかったようですねww」
愛想つかされた。
そりゃそうだよ!やる気無いですみたいなこと言ってたらそうなるよ!
だから面接も落ちるんだよ馬鹿!
◆本当に意識低い?
たかやん「なんていうか、死に起きさんある程度分かってますよね」
死に起き「(何がだろう・・・)そうですか」
たかやん「死に起きさんみたいなタイプって、爆発したら強いですよ。今は火が付いてないかもしれないけど・・・・・いや、やっぱり死に起きさん、意識低く無いと思います」
死に起き「へぇ、なぜです?」
たかやん「本当に意識低かったら、ここに来てませんもん」
でも早く帰りたいんだけど。意識高いこと言われると精神力削られる。
死に起き「・・・まあ僕は、『とりあえずやってみる』スタンスなので」
たかやん「意識低いのに?」
死に起き「・・・う~ん・・・」
でもそれ、僕が『意識最低』とまでは行かないってだけで、『意識低い』ことは変わりないと思うんだけどな・・・
たかやん「死に起きさん、意識低いって自分で決めつけてるんじゃないですか?無意識に。楽しめるのに楽しめないとか思ってるんじゃないですか?本当は死に起きさんも色々出来るのかもしれませんよ」
無意識下のことを言われたら反論できないが、当たっているよ。
これは呪いだ。思い込みという呪い。それでも僕は頑張りたくないと思ってしまうんだ・・・
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というような事を話して帰りました。ホントなんのために行ったの?
でもわかったことが一つある。
僕(意識低い)と彼ら(意識高い)は絶対に相容れない。
磁石のSとNのようなものだ。
話していて僕はとても辛かった。
たぶん、僕のほうが正しくないとわかっているからだ。
頑張ったほうが人から認められる。怠け者を後ろ指を指される。当たり前のことだ。
それでも僕は頑張りたくないし、頑張る必要もないと思っている。
頑張る人は僕の知らない所で勝手に頑張っていてくれ。
もう出来ることならスゴイ人と会いたくない。