天国へ行く為に。

天国は死ぬことと見つけたり。

その会社唯一の志望理由を考えなければならない就活の気持ち悪さ

こんにちは、クリスマスの死に起きです。

僕は「非リアにとってクリスマスは悲劇のイベント」という風潮が嫌いです。

全然悲劇じゃねえよ。僕クリスマスの雰囲気大好きだよ。イルミネーション綺麗だよ。

 

ていうか「リア充爆発しろ」とか言ってる奴はそれはそれで楽しんでるしなんか茶番感あるよね。

 

 

さて、遂に僕は内定がないまま今年を終えようとしています。

まあこのこと話すと大抵めっちゃ驚かれるんですが。そしてそのうちの八割は説教させられます。

いやね、見下されるのは良いんですよ。馬鹿にされるのもいい。

僕はフリーターという肩書は正社員として働いている人に馬鹿にされても文句は言えないと思っている。

例えそれがやりたくてやっていることだとしてもね。

フリーターだって立派に働いているんだ!」なんて事は言いはしないよ。

だってより立派なのは正社員だからな。責任の重さ的に考えて。

 

しかし説教させられるのは面倒くさい。あいや、説教させられるのも仕方ないとは思ってるんだよ(それはフリーターが悪いというわけではなく、立派でない人間は下に見られることはこの世の常だということから)。

 

ただこっちにもフリーターを選んだことにある程度の理由はある。

だけど、それを説明するには多くの時間と語れる雰囲気がないとダメなんだよ。

 

例えば、「フリーターなんかじゃん結婚して子ども養えないぞ」と言われるとする。まあ大体似たようなこと言われるんだけど、そもそも僕は結婚したくないし子どもも作りたくないんだよ。

だって、負荷じゃん。重荷じゃん。僕にとってそれらはデメリット――例えば教育資金や食費、子育てにかける時間等――よりも、幸福な日常をくれるというメリットの方が大きいとは思えないのだ。

そう言い返すと次はこう来る。

「それが本当に真の幸福か!?日本というお国のために子どもを作るべきではないか!?」

まあおくになんて言い方はしないだろうが。

このように働き方の議論は幸福論、愛国心と一気にぶっ飛んでくる。脱線もいい所だ。

つまり働き方を語るということはそうそう気軽にできるもんじゃないってことだよ。

各々の幸福論、何故そう思うに至ったか、これまでの人類の歴史、宗教観念…

もう面倒くさい。いや語れるなら語るかもしれんが、僕だってそういう人生の核心的部分は人を選んで話したい。

だから「スミマセン」とさっさと議論の幕を閉ざすのだ。

 

ずるいのは、向こうは正社員というだけで大した説明はいらないってことだよね。

フリーターだと、説得力のあるエピソードを話さなくちゃいけないから大変なのです。

 

 

とはいえ…こうも人から叱責を受けると、確信する。

僕は間違った人生を歩んでいるのだと。

 

多分…間違ってるんだな…俺の人生は…

 

僕は人生に正しい間違いなど無いと思っているんだけど、もしこの世界に確固たるルールが有るのなら、多分俺は間違っている。

そのルールとはわかりやすく言えば、「普通」「まとも」であるということ。

 

浪人、留年は普通じゃない。フリーターまともじゃない。人とコミュニケーションが取れないのは普通じゃない。二十歳を過ぎて恋人がいないのはまともじゃない。クリスマスなのに出かけようとしないのは普通じゃない。人生を楽しまない人間はまともじゃない。

所謂空気ってやつなのかもしれない。

でもたしかにね、浪人留年した人間よりちゃんと進級できた人間の方がまともでしょ?

褒められるべきだよね?

そしてそれは大多数の人間が成功している当たり前のことであるということ。

 

普通当たり前の事ができない人間はまともじゃない。

 

ルールに乗っ取れていない僕は、やはり間違った人生を歩んでいるのだろうな…と思うのだ…

 

 

 

 

 

ここまで前置き。___________

 

 

実はね、今でこそ僕は「自分のやりたいことを仕事としなければダメだ…天職以外は認めん!」という思想なのだけど、元々は「どこの会社でもいいや」って感じだったんだよ。

それこそ、とりあえず正社員ならば…と考えていた。

コミュニケーション能力もそれなりだと思うから、自信もあった。

 

でもなんでそこから今の思考になり変わったんだっけ…?とさっき自転車漕ぎながら考えてたら、思い出した。

 

 

就活のせいだ。

 

 

 

 

 

僕ね、就職活動で嫌いな部分はいっぱいあるんだけど、その中でもこれが嫌いなの。

「何故数ある中の会社から弊社を選んだのですか?」って質問。

 

この質問ってさ、「他の会社にはない、この会社唯一の特別な志望理由」がないとダメなんだよね。

実際僕は言われた。

 

「君の志望理由だと、他の会社でも良くない?」

 

いや、そうだけど???

 

当たり前じゃん何言ってんの。日本にどれだけ会社があると思ってんの?それでこそ御社より大きい会社もあるわけで、でもそこが落ちた時のことを考えてこっちにきたんだよ。

 

どこの企業も、自分の企業を一番と思ってくれる人じゃないと是としないんだよね。

 

でもさ、すごく簡単なことだと思うんだけど、

そもそも人間って何かを選択するとき大した理由持ってないと思うんだよ。

 

志望校ってどういう理由で選んだ?

偏差値的に自分が行けそうだからとか、家から近いからだとか、そんな感じじゃなかった?

 

もちろん学校選びよりも仕事選びのほうが重要なものだと思うよ。

でも、「ここでなければ絶対ダメ!!!!」って思う企業なんて、ないでしょ?

 

というかそれなら一つの企業しか受けられないことになる。

「内定出たあと任天堂からヘッドハンティングされたら行きますか?」

行くに決まってるでしょ?

 

なら「ここじゃなくても良くない?」って言われたら「そらそうよ」としか言う他無いじゃない。

 

・・・・まあつまり!!

別に会社えらびなんてそこが一番じゃなくてもいいんだよ!!

 

そこじゃなければいけない理由なんていらないの!!

「他に行きたいところがあったけど落ちてしまったのでこっちに来ました」でもおかしかないでしょ!!(無論そんな言い方したらそこで勤めている人に失礼ですので言い方はあるでしょうが)

 

でも人事側は頑なに「ここが一番である理由」を聞いてくるんだよね。

 

でも大抵そんな大層な理由など無いわけで…

そうなると就活生側は志望理由を捏造する。誇大する。雄辯する。

そうして一番偉大な志望理由を考えられた人間が見事合格を手にするというわけだ(もちろん中には本物もいただろうが)…

 

気持ちが悪い。茶番にも程がある。そんなものに認められるために僕は今生きているのか。

 

 

 

 とまあこれらのことからこう思ったんだよ。

 

「あ、自分が一番だと思うところじゃないと働いちゃダメなんだ」って。

 

 もちろん僕も、「どこで働いてもいい」とはいっても、ちゃんと考えたんだよ。

自己分析して、業界絞って、会社を調べた。

でもその会社唯一の特別の志望理由がなかったからダメだった。

 

多分そこからなんだ、僕が仕事を選り好みするようになったのは。

嘘をつくのは嫌だったから、自分の心が本当に行きたいと思った企業しか受けないことにした。

ワガママになった。ちょっとでも不穏な気分になったら辞めた。

結果、フリーターが一番いいと気づいた。

 

さっき就活のせいだとは言ったが、悪い意味で言ったんじゃない。

まともな道からは大いに外れたが、僕の人生としてはなかなかどうして悪くない。

恩を言うかどうかはまだ際どいが――――――

 

 

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就活ってかなり歪んだシステムだと思うのは僕だけでしょうか。

どうも社会というものは、人間に劇的な人生を求め過ぎな気がしてなりません。

 

現実の人生って、割と淡白なものでしょ?

成り行きで行ったら、そんなに悪くなかったってことばかりだと思います。

 

だって、たかが人生ですからね。

あまり気をはらずに生きていきましょう。