趣味や取り柄なんてないのが普通だということを分かってない奴が多すぎる
死に起きです。
あなたには趣味がありますか?
僕はありません。
人に聞かれた時は月並みに「読書」とか言うんですが、最近はほとんど読まなくなって趣味と呼んでいいのかどうかわからなくなっております。
趣味って、結構ハードル高いですよね。
継続的にやっておかなければ、趣味と呼ぶことは出来ない。
趣味と呼ぶものをキープするためにちょっと不本意ながらもそれを続ける。
自分の意図でやっているのではない。趣味の見えざるパワーに依って自分が動かされている。
そういうのって、多分結構あるよ。
僕は就活の時に趣味特技の欄で物凄く困ったタチだ。
書けないでしょ。酒飲みながらゲームやアニメ鑑賞なんて。
アニメ鑑賞だって趣味って言うほど見てないというのに。
履歴書の趣味は更にハードルが高い。
低俗なものは趣味と呼ばないという圧力がある。
『趣味を作って、有意義に人生を生きなさい』
現代において、趣味は随分と求められるものになった。
◆元々趣味なんて大したものじゃない
僕はアイドルマスターが好きです。
中でも安部菜々と藤本里奈が好きです。
以前の記事で
「好きな理由は明確にしなければならない」と書いたので、何故この二人が好きなのか、この二人の魅力は一体何なのかを語るのはまた今度にしようと思いますが…
このアイドルマスターというゲームに登場するアイドルたちには、みんな趣味があります。
資格取得、ピアノ、バレエ、天体観測、ボランティアなどの社会的印象の良いものから、
読書、音楽鑑賞など月並みなもの。
ネコと会話なんていうよくわからないものまであります。
しかしやはり全体的に見て、普通なのが多いんですよ。
友達と長電話とか、ショッピングとか、犬の散歩とか…普通でしょ。
それを見て気が付きました。
履歴書自信持ってに書ける趣味を持っている人などそうそういない。
本来趣味なんて人に評価をもらうためにやるものじゃない。
自分がただやりたいからやっているものなのであって、そこを判断基準にされると「じゃあ無理にでも意識の高い趣味を就活だけのためにやるか?」という話なのである。
それは趣味じゃなくて勉強だ。
ここのあたり、やはり就活だ歪んでいる気がしてならない。
◆そもそも趣味なんてものはない
かなり前にやってたホンマでっかTVの話なのですが、天海祐希さんがゲストとして来ていた回がありました。
彼女の悩みは、「休みの日に何をしていいかがわからない」。
趣味が一切なく、仕事が楽しい分休みにするべきことが全くわからないという。
これに対し環境学者の武田先生の話したことがとても印象的でした。
武田先生
「元々休みの日っていうのはね、昔から有るわけではないんですよ。江戸時代なんか休みはない」
「キリスト教で日曜日というものが存在していて、それが日本に入ってきたことによって日本も休むようになっただけで、元々は休みなんてなかったんですよ」
「だから『休みの日に何やるか』なんて思い浮かばないのが普通なんです」
さんまさん
「僕らは趣味があるんですけど、天海さんのように趣味がない方がいいんですか?」
武田先生
「趣味はないのが普通なんです。趣味があるのは日本くらい」
「日本人の趣味の考え方っていうのはね、『努力して何かを身につけてやる』ってもんでしょ。」
「例えば、『ジャズが趣味の人』は趣味でジャズを聞きに行く。でも海外の人は『別にジャズが趣味なわけではないけれど、楽しそうだから行く』んだよね。」
「趣味を極める人ってのは30人に1人くらいのものであって、みんなが趣味を持たなきゃいけないなんてのはないんですね。」
「これには非常に苦しんでいる人が多いんです。あなたにはなにか取り柄があるんですか?とか聞かれたら、そりゃ『自分には取り柄がなきゃいけない』って考えてしまうわけです。
取り柄なんてない人のほうが多いのに。」
さんまさん
「日本人は無理に趣味をつくろうとし過ぎなんだ」
趣味がない人間には、とても心やすらぐお話です。
◆休みの日は休むもの
武田先生に続き、池田先生もこれに言及。
テレンス先生
「趣味が逆にストレスになってる人も多いですよ。お金のかかる仕事になっちゃってる」
「池田先生の虫集め(池田先生は大の虫収集家)もそんな感じですか?」
池田先生
「趣味は自分の楽しみでやってる分には良いんだけど、それが義務になっちゃうとしんどくなるよね。」
「で、休みの日に何していいかわからないなんて悩みは贅沢極まりないよね。普通の人はそんなことじゃあ悩まないわけで、休みの日は休むんですよ。」
「朝から晩まで働いているサラリーマンが『明日は休みだずっと寝てられうぞ!』っていうのを楽しみにするものなんですよ」
つまり統合すると、趣味はないのが普通、休みは休め。 ということなんですね。
◆それでも不安な人は修行すればいい
とはいっても、やはり何かをしなければならないという漠然とした不安感に苛まれている人はいると思います。
僕は今は好き勝手生きてますが、このままでいいのかどうか寝る前くらいにちょっと思います(多分ダメ)。
だからそういう人は、趣味ではなく修行と読んで行動した方がいいですね。
趣味と言ってはダメです。
何故ならそう言ってしまうから「趣味は極め無くてはならない」という誤解が生まれてしまったのでそれを防ぐためと、それから「苦しみを先に覚悟することが出来る」ということ。
まあ仕事あって修行するっていうのはかなり身の負担になるとは思うのですが…そこまで成長したいならって話です。
◆まとめ
武田先生と池田先生が言ったように、無理に趣味を作るというのはやはり歪んでいるところがあると思います。
取り柄なんてないのが普通。
就活で面接しても取り立ててなんもないように見えるのが普通です。
志望動機だって大したものがないのが普通。
しかしそれでも、人事は特別性を求め続けるのだろうな。
どうにもおかしなシステムだが、まああまり気負いしなくていいっていう話でした。