【ピンポン】アクマの魅力について語ります
死に起きです。
ピンポンというアニメ作品…というよりその中の一人のキャラクターについて語ります。
原作は漫画。
内容はタイトルそのまま卓球スポ根漫画です。
実写映画化もされており
アニメも放映されました。
ピンポン / PING PONG THE ANIMATION: COMPLETE SERIES
- 出版社/メーカー: Funimation Prod
- 発売日: 2015
- メディア: Blu-ray
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高校の友人とか、大学の部活の先輩とかが超絶オススメしてたので、随分前ですがアニメの方を視聴致しました。
うん、面白かった。
なにが面白いって?
そりゃあ
アクマの存在でしょ。
今回は主人公であるスマイルやペコについてはあまり書きません。
アクマについて書きます。
◆アクマについて
本名、佐久間学。
彼の在籍している海王学園高校は個人、団体とも無敗を誇る名門中の名門校。
設備は他の高校に類を見ないほど優良な環境で、とにかくスポーツで勝つことを全てとした学校です。
主人公のスマイル、ペコの在籍している片瀬高校とは別であり、つまり主人公らに相対する高校です。
かと言って敵として描かれているわけではなく、アクマはスマイル、ペコとは幼馴染で、幼少期に同じ卓球場で練習をしていた腐れ縁というのも合って、もう一人の主人公格とも言える存在になっています。
◆アクマの圧倒的努力
アクマは海王学園の部長かつインハイ個人優勝経験者である風間竜一に心酔しており、彼に憧れて海王学園に入学しました。
風間はスマイルの卓球技術を評価しており、スマイルを海王学園に転入させようとするほど。
それが気に入らなかったアクマは、スマイルのいる片瀬高校に乗り込み、スマイルに試合を申し込みます。
が・・・・結果負けてしまう。
アクマ
「畜生ォ!どうしてお前なんだよ!?いったいどうして!?
俺は努力したよ!お前の 10倍いや100倍、1000倍したよ!
風間さんに認められるために!ペコに勝つために!!!
それこそ朝から晩まで卓球の事だけを考えて!!卓球に全てを捧げてきたよ!!なのに!!!」
スマイル
「それはアクマに卓球の才能がないからだよ。
単純にそれだけのことだよ。大声で騒ぐほどのことじゃない。」
このシーン見た時、ああ、アクマってなんてカッコイイんだろうって思ったんですよ。
負けたのに?挫折したのに?
いやいや勝負以前に、「努力した」って胸を張って大声で言えるのってすごくないですか?
僕、今まで努力って言っていいような努力ってしたことないんですよ。
一日8時間勉強し続けたとか、思考を全てそれだけに注ぎ込んだとか、一切の娯楽を捨てて打ち込むとか、そんなこと全然なかった。
僕がアクマを羨ましいと思ったのは、努力したという事実があることではありません。
「それだけ努力できるという熱」が羨ましい。
生きる意味というのは、そういう熱を全開にして開放させることだと僕は思っています。
誰かが何かに必死で打ち込んでいるというのは誰から見ても美しい。
使命感や目的をハッキリと持っているということ・・・それが生きる上で最重要なものだと思います。
ただアクマの場合は、その目的を成し遂げられなかった。
それでも十分尊いのですけれど、まあ認められるものではありませんよね…。
なんというか、仕事でもそうありたいと心から思います。
誰かの10倍、100倍、1000倍努力できる…いや、努力しようと思うような仕事。
アクマの様な生き方ができれば、どれほど輝かしい人生になることだろう。
◆アクマの挫折
スマイルにあんな事言われたら、そりゃショックも受けますわ。
アクマは自棄になり、帰り道で人にぶつかって喧嘩をしてしまいます。
男 「いってえなガキ!どこ見て歩いて・・・グァ!」
アクマ「うっせえ…!どこ見て歩きゃあ褒めてくれんだよ!!えぇ!?おい!
答えてくれよ!オラァ!何見て歩きゃあよ!!!」
どこ見て歩きゃあ褒めてくれんだよ!!
ああ~~~~それだ~~~~今の若者の気持ちそのものだ~~~~~~!!!
何度も言ってますが、僕なんで自分が生きてるのかわかんないんですよ。
何回か「こういうことかな?」と記事にして書いてますけど結局心の底から心酔できるような目的には辿りつけてないんですよ。
どうすりゃあいいんだよ!!!!って叫んだところで誰も教えちゃくれないんですが、ともかくこのアクマの気持すっげぇわかる…
アクマは今まで「卓球で風間に認めてもらう」という目的に沿って生きてきましたが、スマイルに負けたことでそれが完全に打ち砕かれ、生きる意味を喪失してしまったんですね。
しかも「答えてくれよ!」って…助けて欲しいんですよ、救いを求めているんですよ、ああ、良い。素晴らしいアクマ素晴らしい…
◆受け入れること
才能がない現実を突きつけられたアクマ。
他にも成り上がる方法を模索しながらも、やはり見つからず卓球を辞めることを決意。
「飛べねぇ鳥もいる。」
アクマ「スマイルに吹っ飛ばされた後にな、色々考えたよ俺様。
奴の言う俺の無能を納得するのに時間はかからなかったし、受け入れちまえば安心できた。見通しも利いたよ。」
ペコ 「見通し?」
アクマ「競争原理から離れることで見える景色さ。」
目的を見失った後でも、いやだからこそ見える景色もあるという。
その景色についてアクマから言及はなかったが、一体なにが見えたのだろう。
競争原理から離れる、ということは、もしかしたら勝負事を第一に考えず素直に楽しめるなにかを見つけることが出来たのだろうか。
だとしたら、アクマは幸運だ。
普通それが見つからずに生きて、絶望する。
それが間もなく見つかったのはアクマにとって大きな幸福だったに違いない。
まぁまだアクマも若いしね…女や遊びにかまければいいとおもうよ、今まだがんばった分ね…
◆必死になることこそ幸福
アクマとペコが会話をしているが、この時既にペコもアクマ同様に挫折しており、卓球から足を洗うつもりでいた。
アクマは昔から卓球の強いペコに憧れていた。
才能がないことを突きつけられたアクマは、才能があるのにそれを捨てようとするペコに激昂する。
アクマ「逃げてばっかだと前進まねぇぞ」
ペコ「惰性で打つなら足洗えって言うのはお前のセリフだよ」
アクマ「必死で打てって話だよ!」
アクマ「俺はお前の才能が欲しかった!戦型もラケットもフォームも、全部お前を真似た!でもお前にはなれなかったよ!!」
アクマ「クラスのみんなみんな、お前に憧れてた…俺らにとってお前は…!
お前誰より卓球好きじゃんよ!!!」
才能という言葉にはそれぞれの考えがあると思いますが、
僕は間違いなく「好きという感情をもっている」事こそが才能だと思っています。
これを知る者はこれを好む者に如かず、これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。
努力する者は楽しむ者に勝てない。
これはこの世の真理です。
続けろ卓球。
血へど吐くまで走り込め。
血便出るまで素振りしろ。
ちったあ今よか楽になれんぜ。
ヒーローさんよ。
何かに対し夢中になれることこそが幸福なのかもしれません。
◆
アクマは結局そのまま卓球から足を洗い、他の道で生きていく選択をしました。
なので後の話にアクマは選手として登場しませんが、ピンポンにおいて彼の存在がとても重要なものでした(というより僕はアクマしかほぼほぼ興味がありませんでした)。
僕の拙い文章でアクマの魅力を書けた自信はありませんが、もし興味を持ってくだされば幸いです。
是非、ピンポンを、アクマを、観てください。
ここまで読んでくださってありがとうございました。